考え方

子どもの教育資金準備で大切なのは〇〇だった!資金不足を防止するための考え方

子どもの教育資金を準備するうえで、大切なことは「インフレ率」です。

「とりあえず積立定期や学資保険に入っているから安心」と思っている方も多いと思いますが、インフレ率を考えずに貯蓄をしていると、将来資金不足に陥る可能性があるんです。

回は、「学資資金のインフレ率」や、それを踏まえた「学資資金の準備方法」について詳しく説明していきます。お子さんが将来の選択肢を増やせるよう、計画的な資金作りについて早めに勉強しておきましょう!

子どもの教育資金を準備する時に見落としがちなインフレ率

子どもの教育資金を貯める方法は、各家庭にあったやり方がありますが、教育資金を準備する上で最も重視することは、安全性と確実性、そしてインフレ率です

インフレとはインフレーションの略で、「モノの値段が上がる」ことを言います。教育はインフレが進行しやすい分野。それはつまり、教育のために支払わなければいけないお金が、今後も増え続けていく可能性が高いということです。

「計画的に準備をしていたはずなのに、お金が足りない」ということを防ぐために、インフレ率を考慮して、教育資金作りをしていくことが大切ですね。

子どもにかかる教育資金は1,250万円

一般的に、大学までにかかる教育費は約1,250万円と言われています。中でも一番お金がかかるのが大学で、大学進学費用450万円(私立想定)を18年間で用意しようとすると、1年あたり25万円を貯蓄に回す必要があります

そのため、子どもが生まれてすぐ学資保険に申し込むなど、早めに大学進学費用に備えようとする家庭が多いようです。

学費を貯める際には安全性と確実性だけでなく、インフレ率にも目を向ける必要があります。教育費は非常にインフレの進行が激しい分野で、1989年~2016年の27年間で、私立大学の学費は1.37倍(年1.17%増)国立大学は1.56倍(年1.65%増)になりました。

また、1970年~2015年の45年間で全体の物価指数は3倍になったのに対して、教育費は7になっています。圧倒的に教育費のほうがインフレ率は高いのです。ここ10年は落ち着いていますが、教育費はインフレしやすい分野だと覚えておいて損はありません。

安全、確実性を求めるなら、今後も教育費のインフレは年0.5%~1%を見込んで準備プランを考えてみましょう。

教育資金の準備プランの検討

大学進学費用の準備開始時点での大学進学費用を450万円(インフレ率を年0.5%と設定。18年後の大学進学費用は492万円)、年間の貯蓄額を25万円と設定して具体的なプランをいくつか検討してみましょう。

①全額貯金にした場合

25×18年=450万円

450万円-492万円=▲42万円

インフレを考慮しない場合、450万円を貯金できれば学費を賄えるはずですが、インフレ率が0.5%だとすると42万円不足することになります。

②学資保険を活用(ニッセイの学資保険を活用した場合)

18年で累計支払保険料420万円、受取総額435万円(複利0.33%)の場合

435万円+現金余り30万円=465万円

465万円-492万円=▲27万円

学資保険を活用した場合でもインフレ率を考慮すると27万円不足してしまいます。

学資保険を使ってもお金が足りなくなる理由は、インフレ率より学資保険の運用利回りが0.17%低いためです。運用利回り<インフレ率の場合、実質的なお金の価値は目減りしてしまうのです。

この考え方は今後とても重要になってくるので必ず覚えてください。インフレを意識しない人は多いですが、今銀行に貯金している100万円は来年必ず同じだけの100万円の価値があるかは分からないのです。

正しく運用しない限りインフレでお金の価値は自然と目減りしていきます。お金の価値は普通の人でも意識して損をすることはありません。なので、インフレに負けないように投資も組み合わせた選択肢を検討してみることも大切です。

次に貯金+投資を利用した場合を考えてみましょう。

③貯金と投資を利用した場合

25万円のうち13万円を貯金、12万円を投資に回した時

貯金 年13万円×18年=234万円

投資 年12万円を18年積み立て、年利3%で運用=285万円

総額 519万円(インフレ考慮後の必要学費27万円を上回る)

貯金と投資を利用したプランでは27万円の上振れになりました。もちろん投資にはリスクがあるのでシミュレーションどおりにいくとは限りません。大切なのは考え方です。中には全額投資を考える人もいるかもしれませんが、教育費の準備は確実性が最重要なのでおすすめしません。

まとめ

教育はインフレしやすい分野で、インフレが進むとせっかく貯めたお金の価値が下がってしまいます。

今後20年でインフレは進まない、金利も上昇しない、何があっても絶対に途中解約しない。投資でリスクをとるのはいやだと思う人は学資保険を使ってみてもいいかもしれません。

この記事を見て、安全性・確実性は重要だけどインフレ対策も重要だと思った。資産運用スキルを高めることは自分の人生全体にプラスになると感じた人は、貯金と投資を組み合わせることも選択肢の一つに入れてみるといいと思います。

教育資金の準備には安全性と確実性が重要ですが、インフレ対策も必要です。人によって正解は異なるので、いろんな選択肢のメリット・デメリットを考慮しながら自分の置かれた立場で最適なプランを検討してみてくださいね。

  • 教育はインフレが進行しやすい分野
  • 安全・確実性を求めるなら、教育費のインフレ率は年0.5%~1%を見込んで資金準備をするべき
  • 貯蓄や学資保険だけでは、インフレに対抗することが難しい
  • 確実性はないが、投資も組み合わせたほうがインフレ対策になる
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お金って大事だポン。 はじめての「おかねの、おはなし。」特別授業で学んだことを、 友達や家族に、おすそ分けする伝道師たぬき。